4回連続で「自分と人を幸せにするコツ」をつかむ講義。 その第一回目は「感謝する。親切にする」の巻。 一人ひとりの個人的な感謝体験、親切体験をもとに、 新しい着眼点を発見し「人を幸せにする事業のアイデア」を考えてゆきます。 今までの起業論1とはまったく違うアプローチで、 うまく講義が流れるか不安もあったんだけど、 履修してくれた学生たちはすごく積極的に考えて、 アイデアも出してくれました。 講義も活気があってよかった。よかった。 ここからみんなの幸せなイノベーションが広がっていくといいな。 では、また来週ね。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 また、2019起業論1の講義ブログはこちらです。 1. オリエンテーション
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2019年度、すぐに役立つ楽しい経営学「企業経営とトップマネジメント」がはじまります。 この講義の特徴は、 ① 経営のハードスキル(前期)、経営のソフトスキル(後期) をバランスよく学べる ② 前期は、経営学の歴史から今の経営、さらに未来型組織まで、時系列で学べる ③ 後期は、学生の悩みを取り上げることで、自分事として経営学を学べる ところにあります。 多くの教育機関では、これまで「経営のハードスキル」を中心に教えてきました。経営を組織論、戦略論、マーケティング、会計と分類し、それにに関して「体系化された知識」を教えていくという手法です。 もちろん知識は大切ですが、それだけでは経営はできません。 いくら机上で長い間サッカーを学んでも、サッカー選手にはなれないのと同じこと。サッカーは実際にグラウンドに出て、気の遠くなるような反復練習と、ゲームという試練を数多くくぐり抜けて、はじめて成長していくもの。経営も同じですね。 そのため、例えば世界最高レベルの教育機関のひとつ、ハーバードビジネススクールでは、すでにソフトスキルに対する教育比率が半分を超えています。 この「経営のソフトスキル」重視に同校がシフトしたのは、2001年に粉飾決算で倒産(当時、米国で最大規模)したエンロンのCEO、スキリングを生み出したことへの反省があったと言われています。 当時、MBAで学ぶ学生の就職先として最も人気があった企業がエンロンであり、そのため同社はMBA出身者が中心となって経営されていた組織でした。MBAで学んだことを実践した結果、米国で最大の倒産劇、それも悪質極まる粉飾決算を引き起こしてしまった。そのことに対する批判が教育機関に集中したのです。 今の時代をとらえても、この流れはリーズナブルです。 人工知能が本格的に産業に進出しはじめたからです。 AI時代において、知識の多くはコンピュータがカバーします。コミュニケーションやリーダーシップなど「体系化が難しいヒューマンスキル」を実践さながらに学ぶことが重要になる。そのためには体系化が難しい「経営のソフトスキル」をいかに高めていくか、アカデミー界における大きなテーマではないかと考えています。 このような背景から、この講義では、前期は「経営のハードスキル」、後期では「経営のソフトスキル」の習得に力点をおき、カリキュラムを設計しています。 前期に学ぶ「経営のハードスキル」は、3つのブロックにわけた講義内容になります。 2〜5までが経営学の歴史。これまでに登場した主要な経営学の理論を、時代の流れにそったカタチでその文脈とともに解説していく講義です。つまらなくなりがちな座学中心のお話なので、人気ドラマ「半沢直樹」をモチーフに、経営者の悩みをリアルに体験しながら学ぶ内容になっています。 6〜9は今の経営課題。僕の持論である「ソーシャルシフト」、それにSDGとCSVについて。さらに組織論に大きなインパクトを与え、これからの組織における中核コンセプトになるであろう「学習する組織」の考え方を、ワークショップを多用しながら進めていきます。 10〜13は未来の組織。一言で言えば、ヒエラルキーのない、上司のいない組織のこと。孫氏の兵法以来、何千年の歴史の中で変化のなかった「人の組織」が、テクノロジーの影響で革命的な変化を遂げつつある。その流れをしっかり体感する講義です。この内容については、ソーシャルシフトラボ・テキスト「未来の組織について考えてみよう」としてまとめてありますので、興味のある方はご参照ください。 後期に学ぶ「経営のソフトスキル」は、毎回、学生が持つ「組織の悩み」をひとつずつとりあげて、それを300名を超える学生たちが考え、発表するという他に類をみない形式で進めていく講義です。 まず、①学生の悩みが最初に共有される。② 学生たちがLINEグループを通じて考えた内容をどんどん投稿する。それをみた当事者が ③「実行するアイデア」をいくつか選択し、④ 組織にもどってチャレンジし、講義で結果をフィードバックするという流れになります。 この写真は学習院大学のサッカー部。彼らの悩みを、300名、90を超えるチームが一斉に考えて、LINEグループで投票します。はじめて見た方はかなり驚かれる光景だと思います。 後期を通じた集大成は、社会人になってからも振り返られるように「みんなでつくるリーダーシップ」としてシェアします。 2018年度の集大成はこちらの記事で公開していますので、ご興味ある方はご覧ください。 最後に、この講義でも「企業経営とソーシャルキャピタル」と同様、受講者数350名ほどの大規模な講義ですが、① ペアトークなどアクティブラーニングを取り入れ、②LINEを使った双方向の授業 にしています。 このあたりの具体的な内容は「企業経営とソーシャルキャピタル」のオリエンテーション記事 で書いているのでご参照ください。 あ、そうそう。コメントシートも変えました。 今年はオリジナル。グラレコもかけるよう工夫しました。 dotグラレコ部リーダーの作品です😊 (とんとんもdotの子たちから命名されました😂) で、講義のオリエンがおわったあとは、ちょい本番の講義をスタートしました。 セーターの手編みが趣味のターニャがゼロから会社をつくってゆく「ターニャの経営物語」です。 ここで取り上げている「会社とはなにか」「株式とはなにか」、実は社会人でもなかなか答えられないんですよね。経営学、基礎中の基礎だけど、定義だけ覚えても明日には必ず忘れてる。なので、自分ごと化できるようにストーリーにしています。 ちなみにスライド内、穴埋めにななっているところ、正解例は以下の通りです。 「所有」「経営」「株式」「株主は株式を失う」 「配当」「証券取引所」 「直接金融」「間接金融」 さて、オリエンテーションはこれでおしまい。 来週は「ターニャの経営物語」を続けていきます。 なお、講義資料は "DOWNLOAD" ベージ からダウンロードできます。 では、また来週、お会いしましょう! 2019年度、人のつながりを科学的に考える講座「企業経営とソーシャルキャピタル」がはじまります。 今年は、内容を全面リニューアルし、次のような構成でのぞみます。 ① ホップ 人のつながりやソーシャルキャピタルについての多様な知識を深める ② ステップ いいソーシャルキャピタルを創り出すための多様なメソッドを学ぶ ③ ジャンプ 社会課題や幸せの視点から、なぜソーシャルキャピタルが大切なのかを学ぶ 最後は、もう恒例となった、ポジティブ心理学をベースにした映画「Happy 〜 幸せを探すあなたー」を上映会です。 いい人間関係を生み出すメソッドは3つの視点でわけてみました。これも新しい試みです。 ① 個人視点 対人関係をよくするメソッド ② グループ視点 小さなグループにおいて、人のつながりをよくするメソッド ③ 組織視点 グループの集合体である大きな組織において、人のつながりをよくするメソッド ソーシャルグラフの考え方でいうと、①はノード、②はクラスター、③はシステムです。このあたりは第二回の「人のつながり講座」で考えていきます。 また、この授業の進め方には2つの特徴があります。 ひとつ目は、ペアトークなどアクティブラーニングを取り入れた授業であること。 このチャート (学生はLINE画面で伝えると、とてもはっきり講師の意図をイメージしてくれます!) で説明している通り、この講義では単に座学で知識を学ぶだけでなく、学んだことを深く理解するために、学生同士の会話を大切にして進めています。 ただ、400名を超える大教室でアクティブラーニングを効果的に実施することが、かなり難易度の高いことです。2016年度から数多くの試行錯誤し、ようやく大講義での双方向ノウハウを蓄積することができました。それもスライドの流れを見ていただければ、ご理解いただけると思います。 そして、二つ目の特徴は、LINEを使った双方向の授業であること。 このチャートにある通り、講義の途中で「自分ごと化」をうながすための質問を学生に問いかけ、リアルタイムに回答を画面に表示します。LINEの投票機能ですね。 そのために、講義履修者全体でLINEグループをつくっています。 一週間前から受講者が受講者を招待するという学生のつながり(ソーシャルキャピタル) により、クチコミでどんどんグループを広げていきます。現在グループの参加者は440名ほど。LINEグループにしてはかなり大規模ですね。 また、LINEは僕と学生の連絡網としても機能します。交通遅延などの遅刻や欠席報告、講義の質問や進め方へのリクエスト、ひいては就活などの個人的相談にいたるので、なんでも相談できる窓口として活用しています。 そんなことしてめちゃ大変じゃないのとか心配いただける方もいますが、手間はかかりますが、大きな混乱もなく、3年間とてもスムーズに活用できています。なにより学生から好評で、僕としても彼ら彼女らとの心理的な距離が縮まるのがとてもうれしいです。まあ、走りながら考えるのは、僕の起業家としての習性なんだと思います。 毎回の講義の流れは、このブログでオープンにしている「面白講義フレーム」を基本として設計しています。文科省が提唱している「主体的・対話的で深い学び」を実践するために考案した講義フレームです。 このあたりはブログ内「面白い講義で学生の目を覚まそう」講義にて詳しく解説してあります。資料はダウンロードもできるので、ご興味ある方はご参照ください。
また講義内で使っている動画は "Study" ページ にまとめてあります。この講義では、最後にTED「ロバート・ウォールディンガー 〜 人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から」を引用しました。 また、講義資料も "DOWNLOAD" ベージ からダウンロードできます。学習院大学の資料はページ下部にまとめてあります。 うれしいことに、今年も学習院大学で一番大きな460名入る教室が満席になりました!最後の一年、ひとコマひとコマ、心をこめて愛をこめて、みんなにお話していきたいと思います! 2019年度、ワクワクする起業アイデアを考える講義「起業論1」がはじまります。 今年は「人を幸せにするイノベーション」を前面に出すことにしました。 ひとことでいうと 新しくなければイノベーションではない。 人を幸せにしなければイノベーションを名乗る資格がない。 って感じかな。 そのために「起業論1」の前半では「自分と人を幸せにするコツをつかむワーク」をして、それから「Z世代の日常からアイデアを発想するワーク」にうつるというツーステップを踏むことにしました。 それに 学びがなければ授業じゃない。 面白くなければ授業を名乗る資格がない。 の精神で、 学生はもちろんのこと、僕自身も楽しみながら進めていければうれしいなと思ってます。 今回もLINEグループでつながる講義です。なにかわからないこととか疑問とかあったら、何でも気軽に問い合わせてきてね。 来週から、楽しく熱中できる講義にしていこうね! ではでは。 なお、講義資料のダウンロードは こちら からどうぞ。 今日は学習院大学、2019年度の入学式。 で、いよいよ来週からは2019年度がはじまります。 今年度も、僕の担当は前期5コマ、後期3コマを週に持ちます。 サマリーするとこんな感じです。 僕は客員教授なので、今期が最後のご奉公。今までにもまして気合を入れて、全講義をリニューアルしました。ほんのさわりだけのピックアップですが、スライドに講義のサマリーを掲載しましたので御覧ください。 なお、高学年向け三講義のアジェンダは以下の通りです。社会人の方、他校の方も見学を希望の際には斉藤あてお気軽にお問い合わせください。 2019年3月20日、恒例となった「世界幸福度報告書2019」が発表されました。 それにあわせて講義資料を最新版としましたので、こちらで公開します。 なお、この調査における「幸福度」とは、正確には「ウェルビーイング」です。この言葉も国連とポジティブ心理学では定義が異なりますので、こちらにまとめておきます。 今回の調査において、日本は58位で昨年の54位から後退し、先進7カ国(G7)で最低となりました。その主たる要因に「寛容さ」の低さがあることがニュースで取り上げられているので、その点を補足しておきます。 この調査における「寛容さ」とは、上図の定義にあるように「過去一ヶ月間にチャリティなどに慈善活動に寄付したことはあるか」を測定したものであり、寄付の習慣や文化的背景、税制が大きく影響する指標となっています。 ご存知の通り、日本においては寄付の習慣が少なく、税制上の制約も多いことが知られています。したがって、この「寛容さ」が、日本人の考える「社会的な寛容さ」とはやや異なる点をご理解ください。 「世界幸福度報告書2019」における国別ランキングを見ると、昨年に引き続きフィンランドが首位となり、続いてデンマーク、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スイス、スウェーデン、ニュージーランド、カナダ、オーストリア。北欧諸国が大きな割合を占めました。 その他先進国では、英国15位、ドイツ17位、米国19位、フランス24位、イタリア36位、日本58位。ちなみに韓国は54位、ロシア68位、中国は93位でした。 このスライド資料は、学習院大学およびビジネス向け講義で使用しているもので、2019年3月20日の国連発表にあわせて改定しています。講義内容は以下の3つの視点から「幸せ」を考えるものです。
なお、この資料は こちら からダウンロードも可能です。 勉強嫌いだった学生たちが、自ら学び、つながり、行動しはじめる。
キラキラとした目をしたチームdotの学生たちを見ると、社会人の方々は「今の学生って、実はこんなに活き活きとしていたんですね」と驚かれます。 子供の頃から続く受験や評価の世界で、忘れかけていた「学びへの好奇心」を、彼ら彼女らはどのようにして取り戻したのか。 2016年春からはじまった、山あり谷ありのリアルストーリーをスライドにまとめてみました。 資料は こちら からダウンロードも可能です。 なお、スライド内に挿入した動画はこちらで閲覧できます。 ・第一回「Z-1チャレンジ!」 https://www.youtube.com/watch?v=TFJgOSeLNPQ ・Z世代会議 with 講談社 https://www.youtube.com/watch?v=AYx1G9DCw80 イノベーションチームdot 関連記事は こちら 06. 最新チームdot資料、ダウンロードできます 05. ノックは3回、おじぎは30度なんてもういらない 04. パナソニック×dot、Z世代が求めるのは? 03. 集英社×dot Z世代はマンガって読むの? 02. 社会人向けイノベーションdotのご紹介 01. イノベーションチームdotへようこそ 四回にわたってブログ投稿してきた、ヒエラルキーも上司もない「未来型の組織」の資料を総まとめしてみました。またこれまでのブログに加えて、最後には世界的に著名な未来型の組織として「オルフェウス楽団」「モーニングスター」「セムコ」「W.L.ゴア」についての資料も追加しました。 ティール組織、ホラクラシー、DAO(自律分散型組織)など、いわゆるバズワードとなっている未来型組織の違いの整理、それに積み上げられてきた経営学との関連をさせることが目的で資料を作成しました。なかなかに時間がかかり、スライドも200ページ近くになりましたが、僕自身も頭の整理になり、発見も多くありました。 なお、今回の調査の総まとめを ダウンロードベージ に置きました。よろしければ活用ください。 P.S. イベントでお話しします この資料にある「未来の組織」から学んだことをそのまま応用している、いわば経営学にとっての実験の場が「イノベーションチームdot」です。3/16(土)、3/17(日) 大手町で行われるdot活動の集大成「dotフェス!2019」にいらっしゃれば、肌感覚で未来型組織の可能性を体験いただけると思います。 特に3/17 13:00-13:40には、「自ら学び、対話し、成長する組織。チームdotはどのように生まれたのか」を僕がお話しする予定です。で、その後はSDGsアイデアソン「ワンチャンお願い!SDGs」(ファシリテーターを僕がつとめます) になだれ込みます。 無料でどなたでもお気軽に参加できますので、ご興味ある方はぜひお越しくださいませ。当日、いろいろお話しましょう。 イノベーションチームdotについて https://www.join-the-dots.net/blog/category/team-dot dotフェス!2019について https://www.facebook.com/events/405291666910766/ 未来の組織として「DAO(自律分散型組織)」についてまとめてみました。これは過去の講義になかったので新しい情報です。ブロックチェーンの基本から説明する必要があったので、ちょい厳しかったけど、これなら文系の学生でもわかるかな? あわせて、DAOで省力化できると考えられている「取引コスト」について、重要な概念なので解説を入れてみました。 マネジメントに関する関連記事は こちら 04. DAO(自律分散型組織)についてまとめてみた 03. ホラクラシーについてまとめてみた 02. ティール組織と経営理論をまとめてみた 01. 未来の組織 〜 ティール組織?ホラクラシー?DAO?ってなに 未来の組織として「ティール組織」と並べて話されることの多い「ホラクラシー」について、過去の講義からポイントをピックアップしてみました。 まだ評価が定まっていない「ホラクラシー」のシステムですが、最大の課題であると思われる「自己決定感」についても追記しています。 マネジメントに関する関連記事は こちら 04. DAO(自律分散型組織)についてまとめてみた 03. ホラクラシーについてまとめてみた 02. ティール組織と経営理論をまとめてみた 01. 未来の組織 〜 ティール組織?ホラクラシー?DAO?ってなに |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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