未来の組織として話題を呼ぶ「ティール組織」について、過去の講義からポイントをピックアップしてみました。もっとも進んだ事例として「ビュートゾルフ」についても含めています。 また、最後には「経営学」の観点から、ティール組織に関係ある、以下の4理論をとりあげて、学生でも理解できるわかりやすい言葉でまとめてみました。 最も新しく、かつ最もわかりにくい「対話型組織開発」(DOD) については、詳しめに5ページにわたって解説してます。これは!と思う大切な内容を含んでいるので、経営や組織に興味ある方はぜひご覧ください。 マネジメントに関する関連記事は こちら 04. DAO(自律分散型組織)についてまとめてみた 03. ホラクラシーについてまとめてみた 02. ティール組織と経営理論をまとめてみた 01. 未来の組織 〜 ティール組織?ホラクラシー?DAO?ってなに
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2019年度の「企業経営とトップマネジメント」講義の準備として、未来型の組織に関する資料をまとめてみました。 テーマとしては、最近パズワードみたいになっている「ティール組織」「ホラクラシー」「DAO (自律分散型組織)」について、中身がわからないとか、ごっちゃになってるとか、SOSを耳にすることが多いので、わかりやすい表現でまとめてみました。 今回の記事は、その第一弾。3つのバズワードの俯瞰的な整理です。その後、それぞれの組織体について、事例や経営学をおりまぜながせ、深掘りをしていきたいと思います。 マネジメントに関する関連記事は こちら 04. DAO(自律分散型組織)についてまとめてみた 03. ホラクラシーについてまとめてみた 02. ティール組織と経営理論をまとめてみた 01. 未来の組織 〜 ティール組織?ホラクラシー?DAO?ってなに 2018年7月19日 「企業経営とトップマネジメント」第14回 後期オリエンテーション
前期の最終回は、後期にむけたオリエンテーションです。 机上から現実へ。 後期はまったく趣向を変えて「現実の悩みからリーダーシップを学ぶ演習」となります。 毎回、学生の組織に関する悩みをひとつ取り上げるインタラクティブな演習で、このブログでも別のカテゴリー(LEADERSHIP)で投稿していく予定です。 今回みんなからもらった300枚近いコメントシートをもとに、夏休みの間に講義の構成を組み立てておくね。しばしのお別れだけど、また後期に会いましょう! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 13. ティール組織とは 12. 組織の進化を学ぼう 11. 未来型の組織を研究しよう 10. マネジメントの視点を広げてみよう 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年7月12日 「企業経営とトップマネジメント」第13回 ティール組織とは? トップマネジメント講座の最後。 組織の進化を新しい視点で俯瞰した「ティール組織」、今回はその後半 (前回の講義はこちら) です。 リマインドしますが、ティール組織という概念は、マッキンゼー出身のフレデリック・ラルー氏によって2014年に執筆された『Reinventing Organizations』(日本では2018年に『ティール組織』として出版、一部で話題を呼んでいる) が提唱したもので、人類の発達にともなって進化した組織の変遷を5つのカラーで体系化 (ケン・ウィルバー氏提唱「インテグラル理論」がベース) しています。 ・レッド 〜 衝動型組織 (マフィア、ギャング、部族の民兵) ボスが野望を実現するためにつくった組織。暴力を使って、恐怖で支配する ・アンバー 〜 順応型組織 (軍隊、カソリック教会、行政機関、公立学校) 階級とルールが極めて厳格なピラミッド組織で、定形業務の繰り返しを得意とする ・オレンジ 〜 達成型組織 (多国籍企業をはじめとする大企業) 利益と拡大のために、徹底した実力主義で、アメとムチにより統制する ・グリーン 〜 多元型組織 (文化重視、理念重視の非上場企業) 家族的で、価値観や文化を大切にし、成果より人間関係を重視する ・ティール 〜 進化形組織 (マネジメントの常識を覆す次世代型組織) セルフマネジメントと全体性を特徴として併せ持ち、組織として進化し続ける 今回は進化型パラダイムに従った「ティール組織」について、その特徴を学びました。事例としては、オランダのヘルスケア非営利組織「ビュートゾルフ」をとりあげています。この講義でも 未来型の組織 について学びましたが、そのいずれとも異なる、一万人規模の卓越した特徴を持つ非営利組織です。 「進化し続ける目的」「セルフマネジメント」「個人の全体性」という3つの特徴を併せ持つ、世界で最もティールな組織です。従業員は1万人規模になっていますが、実態は自律的な6-12人チームの共同体組織で、司令塔はなく、シンプルなルール、協働ノウハウ、そして情報システムがその代替となっています。 さらに詳細は「ティール組織」(英知出版) をどうぞ。示唆に富んだ内容となっています。 ちなみに、学習院大学生を中心とした「イノベーションチームdot」(80名強) は、学生が自主運営する組織ですが、学びあい助けあうことで、プレゼンやグラレコなど社会人も驚くレベルに成長した、純度の高いティール組織と言えそうです。学生は無償参加ですが、企業からの収益で初年度から黒字化しています。この組織の仕組みについて別途レポートをあげようと思います。 さて、これで前期のトップマネ講義はこれで完結。科学的管理法から始まる100年の経営史、ソーシャルシフト、CSV、未来型組織、それを包括するカタチで「ティール組織」と見ていたけど、どうだったかな?これらを通じて「経営学って面白い!それに自分の組織に応用できるんだ!」って感じてもらえたらとてもうれしいです。 次回は後期のオリエンテーション。毎回、学生の組織に関する悩みをひとつ取り上げて、300名の大教室ながら、おもいっきりインタラクティブな演習を行ってゆきます。一昨年、去年、受講生からとても好評だったので、ぜひ積極的に参加してくれるとうれしいです。 では、また来週ね! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 12. 組織の進化を学ぼう 11. 未来型の組織を研究しよう 10. マネジメントの視点を広げてみよう 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年7月5日 「企業経営とトップマネジメント」第12回 組織の進化を学ぼう
トップマネジメント講座、前期の最後は、組織の進化を新しい視点で俯瞰した「ティール組織」の考え方を、2回にわけてお話します。今回はその一回目。 ティール組織という概念は、マッキンゼー出身のフレデリック・ラルー氏によって2014年に執筆された『Reinventing Organizations』(日本では2018年に『ティール組織』として出版、一部で話題を呼んでいる) が提唱したもので、人類の発達にともなって進化した組織の変遷を5つのカラーで体系化しています。 ・レッド 〜 衝動型組織 (マフィア、ギャング、部族の民兵) ボスが野望を実現するためにつくった組織。暴力を使って、恐怖で支配する ・アンバー 〜 順応型組織 (軍隊、カソリック教会、行政機関、公立学校) 階級とルールが極めて厳格なピラミッド組織で、定形業務の繰り返しを得意とする ・オレンジ 〜 達成型組織 (多国籍企業をはじめとする大企業) 利益と拡大のために、徹底した実力主義で、アメとムチにより統制する ・グリーン 〜 多元型組織 (文化重視、理念重視の非上場企業) 家族的で、価値観や文化を大切にし、成果より人間関係を重視する ・ティール 〜 進化形組織 (マネジメントの常識を覆す次世代型組織) セルフマネジメントと全体性を特徴として併せ持ち、組織として進化し続ける ちなみにティールとは青緑色、このカラーはケン・ウィルバー氏が提唱した「インテグラル理論」における意識のスペクトラムをベースにしたもので、今回の講義ではレッドからグリーンまでを辿っています。 また、授業の最後には『なぜ弱さを見せあえる組織は強いのか』を著したハーバード大学ロバート・キーガン教授による「大人の知性発達ステージ」についても言及しました。組織の進化はリーダーの進化とほぼ完全に同期するからです。 最後に、講義内で使用した動画も紹介しておきますね。 人類誕生CG 〜 240万年前の人類のライバルはハイエナ? https://www.youtube.com/watch?v=_RauDD0mQS4&t=5s Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model https://www.youtube.com/watch?v=g0Jc5aAJu9g さて、来週はこの話の本丸、「ティール組織」について、事例もあわせて詳しく取り上げてゆきます。また来週ね! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 11. 未来型の組織を研究しよう 10. マネジメントの視点を広げてみよう 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年6月28日 「企業経営とトップマネジメント」第11回 未来型の組織を研究しよう
今回から3回にわたって「未来の経営」シリーズです。 今日の講義は「相互契約型経営のモーニングスター」「民主主義経営のセムコ」「アイデア市場経営のゴア」と、マネジメントの常識の枠を超えた3社を取り上げました。 いずれも、顧客や社員を資源ではなく人間として尊重していること、そのために社員や顧客に強制することなく相手の立場でモノを考え、社員を信じる強い意思を持っていることが特徴です。 特に、僕が最も尊敬する会社のひとつであるゴアは、学習院学生が中心となって組織化している「イノベーションチームdot」の原型です。ゴアの遺伝子を引き継ぎながら、新しい時代にふさわしい未だ見ぬ組織体を創ろうと、学生たちと大きな夢を共有しています。 さて、来週からは二回にわたって「ティール組織」をとりあげます。 では、また来週ね! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 10. マネジメントの視点を広げてみよう 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年6月21日 「企業経営とトップマネジメント」第10回 マネジメントの視点を広げてみよう
三回連続で行ったCSVワークショップを終えて、また講義に戻ってきたね。 振り返ると、 ・2回目から5回の講義で「100年間の経営史」を ・6回目から4回の講義と演習で「現代の経営」を 学んできました。 そして来週から3回にわたって「未来の経営」を取り上げます。 今日の講義はその準備、頭を柔らかくするために「昆虫・楽団・人体に学ぶマネジメント」をテーマとしてお話をしました。実際の講義では動画を5本ほど挿入してますが、それがなくてもだいたいの内容はスライドを見れば理解できるかなと思います。 僕が個人的に一番気になっているのは、最後の「ホラクラシー」。 Amazonによる買収以降、トニーシェイは方向感を失っているように感じて、少し心配かな。 さて、来週からは、経営の常識を遥かに超えた凄い組織を勉強していこうね! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年5月31日 「企業経営とトップマネジメント」第7回 CSVワークショップその1
前回までは経営史の流れをたどり、ソーシャルシフトにいたるマネジメントの変遷を見てきました。講義内でもすでに登場しているキーワード、CSV(Creating Shared Value 〜 共通価値の創造) は、これからの経営を考える上でとても大切になってきます。 これまで「個人の欲求を満たすこと」にフォーカスしてきたビジネスは、現在「社会的ジレンマ(個人の合理的な選択が社会全体にとって合理的な選択にならず、結果として個人にも不利益がおよぶ問題)」に陥っています。極めて強いチカラを持つがゆえに、多くの社会問題を引き起こすビジネスを軌道修正していかない限り、我々に持続可能な未来はありません。 このCSVを概念、またそれを実現する上で極めて重要となるSDGsにつき、みんなに自分ごととして体験してもらうために、今回から三回連続でワークショップを企画しました。 ・5/31(木) CSVワークショップ 〜 社会課題の選定 ・6/07(木) CSVワークショップ 〜 CSVアイデア創出 ・6/14(木) CSVアイデア発表会 ・7/07(土) メンバーズ主催「CSVコンテスト」 (希望チームのみ参加) [参考:講義内で使用している動画はこちら] ・A Look at the Sustainable Development Goals ・The Global Goals - Numbers In Action ・2016 世界中に広めよう SDGs ・成し遂げよう グローバル・ゴールズ 6/7と6/14の講義にはエンゲージメントファーストの原氏、萩谷氏を迎え、審査委員などをしていただく他、希望チームのみですが、7/7「CSVコンテスト」へもチャレンジしたいと考えています。ちなみに去年は、イノベーションチームdotによる学習院チームがグランプリ(最優秀賞)をいただきました。今年もがんばりたいと思います。 受講生が年々倍増しており、今年は330名の学生が90強のチームにわかれて行う規模となりました。席配置からLINE経由の宿題提出、コメントシート管理まで、講義の運用がてんやわんやの大騒ぎとなっていますが、なんとか円滑に運営したいと張り切ってます。 では、また来週。みんな宿題をLINEで提出するんだよー。 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年5月24日 「企業経営とトップマネジメント」第6回 ソーシャルシフト
ソーシャルメディアが世界を覆い、生活者は日常的に自らの体験をシェアするようになりました。商品の使用感、電話での顧客応対、店頭での顧客サービス、購入後のトラブルサポートにいたるまで、ありとあらゆる顧客体験が、一瞬で伝播してしまう時代が到来したのです。 今や、顧客は広告塔であり、顧客接点は「広告が生まれる瞬間」となりました。経営視点で何が変わったか。一言でいうと「顧客も社員も世間の評判も、コントロールできない時代」になったということです。 この話をビジネスパーソンにし続けて、早や6年が立ちました。当初は「話はわかる。でも実際の経営は違う。理想論ですよね」といった感想がほとんどでしたが、時代を経るにつれ「青臭い話」ではなく「現実の話」として聞いていただけるようになりました。 Z世代の君たちにとっては、実はなんの違和感もない考え方で、むしろ、なんで「古い考え方をしている経営者がいるんだ」という感想がほとんどで、頼もしく感じています。 ソーシャルネイティブ、Z世代の君たちが、きっとソーシャルシフトされた社会を創ってくれるはず。僕はその一助になれれば幸せです。では、またね。 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう 2018年5月17日 「企業経営とトップマネジメント」第5回 数字か、人か (その3)
三回連続で、ビジネスと経営学の歴史を紐解いてゆく「数字か、人か」シリーズ。TBS名作ドラマ「半沢直樹」のモチーフを借りて、東京中央電気という架空の会社の歴史を追いながら、その背景にある経営学と結びつけてます。 今回は最終回。戦略経営に加速したビジネスの世界は、未曾有の経済カタストロフィ「世界金融危機」によって大きな衝撃を受けました。それを機に、米国がリードしたグローバル資本主義に対する新しい経済観が世界から湧きあがってきました。 今回の講義は、経営史を知識として覚えるのではなく、この流れを疑似体験した上で「経営はいかにあるべきか」を深く考えてもらうことに主眼をおいています。 次回は「ソーシャルシフト」についてお話します。 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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